植物マルチ吹付工

再生被覆材を活用したシバ造成

概要

事例1

実績表

概要

 河川堤防ののり面は,本来土壌侵食防止,景観保持のためにノシバの張芝が行われています。ノシバは広がりと草丈が低いことから堤防の安全点検上クラックの発生と感知が容易です。しかしながら,通年の維持管理に多くの労働力を要し,人力施工,ノシバの張芝材料の不足,さらに,播種工のノシバでは播種不適期施工,播種直後の降雨による侵食被害の増大,強靭な雑草の侵入によるノシバの衰退・枯死と課題があります。ノシバの被覆維持は野焼きや放牧等によって低い植生でまとまっていました。現状でのシバ型植生の施工方法は,ノシバの種子散布と不織布の敷設,洋芝種付ワラむしろ張工,分解型樹脂ネット張の種子散布工などが挙げられる。暖地型気候での寒地型シバを導入した場合は与えた肥料の有効期間だけが緑被効果の期待はできますが,一年以降はシバを覆い尽くす大型の雑草やクズに覆われるケースが一般的です。

             

 最近では多自然型護岸や自生種の導入の方針へ移行していますが。これらに答えるために開発したのが植物マルチ吹付工である。前提条件として機械施工,地域材料を活用,暖地型シバ型草種に限定しました。河川敷内に生育しているヨシ,ススキ,竹等を現地で細断しマルチング材を作成します。これを種子散布直後に専用のマルチ散布機で厚さ2pに散布します。シバはアジア原産(中国南東部)のムカデシバ(センチピードグラス)を使用しています。この結果,冬期の緑葉は望めませんが侵食されず,保温・保水のマルチ材の被覆効果が明瞭に現れています。また,高温となる夏期施工では30日程度で85%以上の植被率を期待することができました。ムカデシバの生育地はノシバよりも南限ありますが九州地方では高標高地を含め全域に適している。このムカデシバは道路法面の法尻領域等に導入し法面点検ととも に維持管理を回避する上で有効であることが分かりました。この手法はリサイクル型シバ播種工に位置づけられます。

断面図
一層目吹付材料配合
材料名称 規格 単位 数量
種子 センチピードグラス kg 2.0
侵食防止剤 高分子樹脂系(クリコートC-710) kg 4.0
高度化成肥料 N:P:K(15:15:15)※または硫安 kg 10.0
養生剤 木質セルロース kg 50.0
土壌改良材 ピートモス kg 10.0
土壌改良材 苦土石灰 kg 1.0
二層目吹付材料配合
材料名称 規格 単位 数量
無機コロイド 粘土複合物 kg 40.0

特徴

堤防の河川敷に発生する植物発生材を集積場所で細断するためリサイクル資材を用います。細断長は5p以下とします。

従来の張芝工に比べて機械施工のため能率が高く安価です。

施工後の維持管理である刈込み管理が回避されることで維持管理費が激減されます。

マルチ材のバインダーとして無機コロイドを使用していますが,養分の溶脱を防止,保水性を確保,並びにマルチ材の飛散防止に有効です。

マルチング材の刈り取り地は容易に再生するため,自然環境の破壊はありません。

自然度の高い潜在表土や自生種種子,栄養体を混合し吹付けることによりさらに多様性のある植物群落が成立します。

施工手順

一層目に種子散布仕様に準じ種子吹付工を行います。引続き植物細断散布を行います。二層目に土壌改良材としての無機コロイドを吹付けます。必要に応じて養生工の灌水や発芽成長期の地盤から出現した雑草除去を行います。破砕材は植物発生材を現地破砕で行うことを標準としています。

手順

主要機材

破砕・撒布:植物細断・撒布機

吹付:客土・種子吹付機

運搬:トラック

施工能力

平均圧送距離,直高 200m 120m

勾配 通常 1:1.5以上

土質 土砂,礫,軟岩

面積 1,000u以上(未満は市場単価方式による)

応用展開

自然度の高い野草地,河床土の表土を混合すれば多自然型植生が成立しやすい。

耐侵食性に優れるため自生種のみの播種工が可能であり環境重視の地域で活用が可能。

苗木植栽の雑草発生抑止など各種のマルチング材の活用。